私は、自他ともに認める淡路島好きである。
どのくらい好きかというと、2017年、2018年と、2回もキックボードで淡路島を一周したくらいだ。淡路島が好きな人はたくさんいるが、キックボードで「アワイチ」を2回もやったのは、私くらいのものだろう。
正直なところ、いくら淡路島が好きでもキックボードで二周もすると、「もうアワイチはいいや」となる。もちろん淡路島は好きだが、キックボードで走るのはもう十分だ。
しかし、ただひとつ、思い残したことがある。それが「歩いて淡路島一周」である。
淡路島をぐるりと一周すると、ちょうど150km。1日30km歩いたとすると、5日間で一周できる計算だ。
兵庫県の英雄・植村直己氏は、日本縦断の際には平均で1日60km歩いたらしい。1回だけならともかく、平均で60kmも歩くとは、まったくバケモノレベルである。
150kmくらいならロングトレイルとしては入門編くらいのものだが、若いころならともかく、50手前のおっさんにとっては少々ハードルが高いと言わざるをえない。ましてや、日々忙しく働く身だ。予備日を含め一週間もの休みはなかなかとれるものではない。
そんな大人の事情もあって、当時、淡路島歩いて一周は見送った。期間を短縮できるキックボードで一周(計二周)したのである。
いくら期間を短縮できるといっても、私にとってはかなり過酷なチャレンジであったので、無事に完走した際には達成感に包まれたものである。本来なら、私の淡路島チャレンジはそこで終わるはずだった。
まさかの10連休
ところが、である。皆さんもご存知のとおり、2019年5月になんと10連休という大型連休がくることになったのだ。社会人経験は長いが、カレンダーどおりでこれほどの連休は初めてのような気がする。
「2019年のGWは10連休」
最初にこのニュースを聞いたとき、最初に頭に浮かんだのはアワイチのことだった。
「10連休あれば、淡路島歩いて一周できる・・・」
全行程5日に予備日として1日、それでも4日あるから十分休養して仕事復帰できる。社会人としては、これ以上ないスケジュールだろう。
「全行程5日だったら、5連休あればいいじゃん」
このように考えてはいけない。責任ある社会人たるもの、遊びが仕事に影響を与えてはいけないのである。無事に完走したとしても、疲れてフラフラの状態で仕事を始めるようではダメなのだ。十分な休息がとれる余裕を見ておかないといけない。
このあたりの話は、以前のブログにも書いている。
私の脚力だと、1日あたり30kmが目安になる。がんばって40kmといったところか。その前提で日程を考えてみると・・・
1日目:岩屋港(ジェノバライン)→洲本(炬口港) 32km
2日目:洲本(炬口港)→吹上浜キャンプ場 42km
3日目:吹上浜キャンプ場→船瀬キャンプ場 36km
4日目:船瀬キャンプ場→岩屋港(ジェノバライン) 40km
これはかなり順調な場合の日程だ。3・4日目はかなり厳しいので、恐らくもう1日かかるだろう。
3日で一周してしまう人もいる。小学生でも7日かけて一周したそうだ。私の場合、間をとって4~5日というところか。
問題は、2日目の洲本から吹上浜キャンプ場である。アワイチ最初の難関である立川水仙郷を越え、40kmを超える距離を走破しなくてはならない。しかも、途中からは海岸線が延々と続く。護岸されているので、もし途中で日が暮れたらキャンプ泊は難しいだろう。
まあ、急ぐと碌なことはない。5日か6日かけるつもりで、のんびり行こう。
装備は軽いに越したことはない
~基本ルール~
キャンプ泊とする。ただし、食事は店で食べても自炊してもOKとする。移動手段は徒歩のみ。
~装備一式~
バックパックは「Trakke」の「Assynt28」。ワックスキャンバスとスティールバックルの組み合わせが頼もしいバックパックだ。容量が心細いが、装備を絞るので問題なし。
テントはルナーソロ。過去2回のアワイチでもお世話になった。ウルトラ・ライトでありながら風雨に強い、2番目のマイホーム 。かさばるシュラフはやめて、ウールブランケット1枚でいく。季節がいいので大丈夫だろう。
雨具として、ゲイドウッドケープをチョイス。これだけでテント泊もできるのだが、ルナーソロの安定感は捨てがたい。予報では、3日目に雨が降るかもしれないので、もし荒れた場合に備えてルナーソロは持っていきたい。
恐らく日が暮れたあとも歩くことがあるだろう。場所によっては真っ暗になるので、フラッシュライトは必須。普段から身に付けているLANTERNのランタンミニを持っていく。
キャンプ場に泊まったときは、BBQはしたい。とはいえ、重いBBQ道具を持ち歩けないので、ここはファイヤーボックスナノ一択。小型のネイチャーストーブでどうやってBBQするの?と思うだろうが、焚き火焼き網があればBBQできるのだ。ソロでのんびり焚火&BBQをするには、最高の組み合わせ。
アワイチでナイフが必要な場面はほとんどない。だがしかし、4~5泊のテント泊となる以上、予期せぬ場所でキャンプすることもありえる。そのような場所では、火を起こすにも料理するにもナイフが必要になるだろう。お気に入りの一本を持っていこう。
「ボトル忘れてるよ!」と思われたあなた。アワイチでは頻繁に自販機を発見できるので、水の補給に困ることはない。ボトルは置いていく。
クルマで行ったらいいじゃない?
「10連休は淡路島一周してくる。歩いて。」
と家族に告げたとき、家内は不思議なものをみるような顔で、「クルマで行かないの?」と言った。
ちょうど1か月前に新型ジムニーが納車されたばかり。時間があればジムニーをいじっていたくらいなのに、なぜ歩いていくの不思議だったのだろう。
私もできることならジムニーで一周したい。さぞかし楽しいだろう。しかし、ジムニーで淡路島一周はいつでもできるが、歩いて淡路島一周は今回が最初で最後、最大のチャンスなのである。
この機会を逃すことはできない。待ってろ! 淡路島!!
了