淡路島リベンジ 1日目 その2

キックボードで淡路島一周1日目、時刻は14時過ぎ。なんとか立川水仙郷をクリアした私は、無事に海岸線ルートに復帰した。

~前回までの記事~
淡路島リベンジ 準備編
淡路島リベンジ 1日目 その1

海岸線をひた走る

ここからは平坦な海岸線ルートが続く。比較的走りやすいルートだが、陽射しを遮る休憩ポイントがほとんどないので、前回はかなり苦労した(雲が出たタイミングを見計らい、陽射しから逃げるように走ったものだ)。今回、暑さは問題ないが、午前中からの疲れがボディブローのように効いてきている。今日中に吹上浜キャンプ場に到達できるかどうか、時間との闘いだ。

まずは、自販機のあるモンキーセンターを目指す。モンキーセンターは、野生の猿に餌付けできる場所で、娘が小さいころに一度来たことがある。餌やりタイムになると、檻の中に人間が入り、集まった猿にエサをやるという貴重な体験ができる。今日は猿にエサをやる時間はないが、自販機で水分補給をさせて頂こう。

このあたりの海岸線ルートは、路面状態はそんなによくないが、クルマの通行量は少なく、景色も良いので、のんびり走るにはちょうどいい。これで舗装がもう少し滑らかだったら最高なんだが仕方ない。海を眺めながら走っていたら、40分ほどでモンキーセンターに到着。

キックボードに乗ったおっさんを訝しげな目で見る誘導員さんに会釈し、自販機へ向かう。自販機を利用させてもらうだけなので、邪魔にならないようコソっと飲んでさっさと出発しなければならない。しかし、自販機前のベンチには、恐らく猿のエサやりを終わったであろう家族連れが陣取っていた。子供たちはアレが飲みたいコレが飲みたいと主張し、おかあさんは「さっさと決めや!!」とせかしている。隣ではおばあちゃんがタバコをふかしながら、「今日は楽しかったなあ!!」とご満悦のようす。

とてもではないが、割り込んでいける雰囲気ではない。少し離れた場所に立って待つことにする。本当はその場に座り込んで脚を休めたいが、そうもいかない。2~3分待っただろうか? ようやく子供たちが自販機の前を離れる気配を見せたので、すかさず自販機前に移動する。「あら、待ってはったんか」とおばあちゃん。そうだよ! 待ってたよ! と心のなかで叫びつつ、ようやく飲み物ゲット。ベンチも空いたので、座ることができた。

現在の時刻は16時。モンキーセンターから吹上浜キャンプ場までは約20kmほど。平坦路なら、18時には着く計算だ。しかし、海岸線を抜けたところで最後の難関が待っている。距離は短いものの結構キツい上りがあるのだ。前回はここで大停滞したが、今回はどうだろうか? 3時間かかったとして19時着。ギリギリBBQできる!

出発しようとしたとき、3名の家族連れの方に声をかけられた。よく見ると、立川水仙郷のところで追い越した家族連れだった。「それ(キックボード)すごいね」「どこからきたの?」「どこへいくの?」「がんばって!」など、暖かい言葉をかけていただき、少しのあいだ立ち話ができた。3人とも、相変わらずのニコニコ顔でとても感じのいい方たちだ。こちらも精一杯の笑顔で答える。

体力の限界!!

気持ちのいい家族に見送っていただき、颯爽とモンキーセンターを後にする。前回はこのような交流をする機会がなかったので、単純に嬉しい。自然とテンションも上がって、キックボードを蹴る脚にも力が入った。しかし、それも長くは続かない。かれこれ6時間もキックボードで走ってきたのだ。もう脚に力が入らなくなってきていた。しかし、泣き言はいってられない。自分で走るしかないのである。

海岸線の景色はキレイだ。単調な道を延々走るのは苦痛だという人がいるが、私はまったく気にならないタイプで、ボケーっと走っていられる。ルーチンワークは大嫌いなのに不思議なものだ。幸いにして、午前中悩まされた強風は収まっているので、黙々と走る。これで風が吹いていたら、もっと時間がかかったかもしれない。

1時間ほど走ったところで、自販機を見つけ休憩をとる。GPSを確認すると約10km進んでいる。いいペースだ! 時刻は17時だが、まだ日は高い。明るいうちに吹上浜キャンプ場に着けるかもしれない。

5分ほど休んで再スタートする。恐らく最後の休憩になるだろう。次に止まるのは吹上浜である。鼻息荒くスタートしたのもつかの間、遠くに上りが見えてきた。「出たな・・・」思わず、独り言を言ってしまう。キックボードに乗ったおっさんがブツブツ独り言をいいながら走っていたら怖いが、周りには誰もいないので勘弁してください。

結構な急坂だった記憶があるが、それほど距離は長くなかったはず。そう自分に言い聞かせながら坂に突入するが、すぐに勢いを失って止まってしまった。平地でもキツいのに、こんな坂で蹴れるはずがない。キックボードにもたれかかるように歩き始めると、2人の女性ローディに追い抜いていった。見ていると、50mほど上ったところで2人ともロードバイクを降りて押し始めた。

「なんだ、このくらいの坂も上れないのか、情けない」と完全に自分のことは棚の上にあげて偉そうなことを考えていると、そのうちの1人が止まってしまった。どうやらどこかに電話をかけているようだ。そのうちに電話中の1人を追い抜き、2人の間に私が挟まれるかたちになった。

これが大失敗だった。女の子の前でカッコをつけようと、無意識にペースアップしていたかもしれない。追い抜いたはいいものの、一向に脚が前にでなくなった。息も上がって、座り込んで休憩したい。しかし、女の子の前で、息も絶え絶えになりながらヘタり込んで休憩するのはみっともない。バカなプライドに支えられ、必死で脚を前に踏み出すものの、もはや体力の限界。脚を引きずるように坂を上っていく。

いよいよ脚が動かなくなり、みっともなくてもどっかその辺で座り込んで休憩しようと顔を上げると、すぐそこに見覚えのある自販機が! 前回停滞していた場所だ! これ幸いとキックボードを停め、三ツ矢サイダーを買った。すぐに女子2人も追いついてくると、自販機で飲み物を買っている。そこで休憩するのかと思いきや、ロードバイクのボトルに飲み物を移し替えると、さっさと先に行ってしまった。

こうなったら見栄もへったくれもない。休憩して脚を回復させよう。といっても時刻は18時前で日が暮れかかっているので、あまりゆっくりはできない。ここまで来たらあともう少しのはず、と自らを奮い立たせ、再スタートする。

スタート後、すぐに急坂を上り切り、アップダウンになった。すでに女子2人の姿は見えない。ロードバイクならこのくらいのアップダウンはすぐに走り抜けてしまうだろうが、キックボードではそうはいかない。押しては乗り、乗っては押しを繰り返すと、すぐに見覚えのある田園風景が目に飛び込んできた。見慣れた吹上浜だ!

ついにたどりついた。ほっとするものの、時刻はすでに18時過ぎ。はやいとこ買い出しを済ませ、吹上浜キャンプ場にチェックインしなければ。最寄のスーパーでそそくさとBBQの食材を購入し、先を急いだ。ここからキャンプ場まで、15分ほどの距離だ。

うれしいやらはずかしいやら

キャンプ場までの道をヨロヨロと走っていると、後ろから来たクルマが横付けして、家族連れが話しかけてきた。

「どこからきたんですか?」「岩屋です」「すっげーーー!!!(子供)」
「明日はどうするんですか?」「岩屋までいきます」「すっげーーーーー!!!(子供)」

地元の方だが、さすがにキックボードで走ってるやつは珍しいらしく、びっくりして追いかけてきたそうだ。今から思えば、きちんと停まってご挨拶すればよかったなと思うが、そのときはキャンプ場に着きたい一心で、そこまで気が回らなかった。別れ際、お子さんがブンブン手を振って「がんばってください!!」と声をかけてくれた。

そんな出会いのあと、ついに、ついに吹上浜キャンプ場に到着。もう倒れそう。しかし予約していないので、とりあえずチェックインしなければと、受付に向かう。いつもの感じのいい女性の方に聞くと、空きがあるとのこと。あーよかった。これで一安心と、手続きをしていると、男性が話しかけてきた。

「キックボードで走ってるのを見掛けたんですけど、ずっとそれで来たんですか?」「はい」
「どこから来たんですか?」「岩屋です」「えぇーーー!!」
「ひょっとして、キックボードで淡路イチですか?」「はい。明日は岩屋までいきます」「えええーーーーー!!」

男性の同行者だろうか、何名かの方が受付の周りに集まってきた。スゴイスゴイと言われるとうれしくなってしまう性格だが、さすがに恥ずかしくなってきた。よく考えてみたら、50手前のおっさんがキックボードで淡路島一周って・・・ 20代30代ならわかるが・・・ 

なんでそんなことやってるのかと聞かれたらどうしようとドキドキしたが、聞かれなかった。最後は、がんばってくださいと声を掛けて頂いた。前回は誰からもそんなこと言われなかったのに、今回はやたらと声をかけられる。なんでだろうか。なんにしても、明日もがんばらねばと気合がはいった。

淡路島リベンジ2日目その1へ続く・・・

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