淡路島リベンジ 2日目 その1

まだ日も上らない早朝4時、ゴソゴソとテントから這い出した。淡路島リベンジ2日目の朝である。

~これまでの記録~
淡路島リベンジ 準備編
淡路島リベンジ 1日目 その1
淡路島リベンジ 1日目 その2

2日目の朝

昨晩は、チェックインのあと、2時間ほどBBQを楽しむことができた。ファイヤーボックス焚き火焼き網の相性はバツグンである。炭を使わなくても、そのへんに落ちている松ぼっくりだけでBBQができた。スーパーのビニール袋いっぱいの松ぼっくりがあれば、2時間ほど火をキープできる。焚き火焼き網は、炎が直接食材に当たらないので、焚き火の状態で焼き物ができるのだ。

おなか一杯になったらシャワーを浴び(吹上浜キャンプ場は24H利用できる温水シャワーがある)、21時半には寝袋に潜りこんだ。明日は早い。早く寝て少しでも体力を回復させたい。普段は起きている時間なのですぐには寝付けないが、明日のルートのことを考えているうちにいつのまにか眠りに落ちていった。

深夜1時頃、何かがサワサワと顔をなで、目を覚ました。外ではゴウゴウと風が吹き荒れている音が聞こえる。強風に吹き付けられ、ルナーソロが吹き飛ばされそうに揺れている。外に出てみると、風にあおられてガイラインのペグが吹っ飛んだようだ。砂浜なのでペグの固定が甘かった。ペグを打ち直してガイラインを張り、近くにあった石でペグを固定し直した。まだ風は強いが、これで大丈夫だろう。夜明けまでまだ3時間以上あるから、もう一眠りしよう。

スマホの音で目を覚ました。午前4時。もう風はやんでいるようだ。まだ寝ていたいが、先を急ぐ旅である。気合をいれてルナーソロから這い出した。空を見上げると、まだ月が出ていてキャンプ場を照らしている。のんびり準備をしてもう少し明るくなった出発しよう。

お手洗いを済ませ、炊事場で手を洗っていると、大きな黒い犬が駆け寄ってきた。リードはついていない。一瞬緊張したが、大きく尾を振っていて嬉しそうな顔をしている。野犬ではなさそうだ。まわりを見回すと水事情の端におじさんが座っていて、ぺこりと会釈したのでこちらも会釈を返す。おそらく、このおじさんが飼い主だろう。皆が寝静まっている夜明け前、愛犬をリード無しで散歩させていたのだろう。

手の届く距離まで近寄ってきたのでナデナデしてやろうとしたら、パっと飛びのいてしまった。まだ気を許してくれてはいないようだ。犬好きおじさんとしては、時間をかけて親密になりたいところだが、こちらも先を急ぐ身。犬をなでまわしている時間はない。撤収を急ぐとしよう。

ルナーソロの良い点のひとつとして、設営・撤収が早いことがある。慣れれば10分ほどで設営できてしまう。撤収はもっと早い。ペグを抜いてテキトーにスタッフサックに押し込めばOK。今回も、20分ほどで準備が整った。時刻は5時前。明るくなりはじめている。さあ、出発だ!!

地獄の南あわじ


走り始めてすぐ、右ひじと左ひざの軽い痛みに気付いた。右ひじは、昨日から断続的に痛みがあったのだが、すぐに収まっていたので大丈夫だろう。左ひざのほうは、曲げると軽い痛みがある状態。走るのに支障があるという訳ではない。身体が慣れてくれば収まることを期待しよう(後に、まったくの期待外れに終わることを思い知る)。

前回ショートカットした南あわじの海岸線ルートを目指して進むと、吹上浜キャンプ場をでて15分ほどで上り坂になった。すぐにキックボードを降りて歩き始める。早朝なのでクルマはほとんど通らず歩きやすいし、焦らずゆっくりいこう。急坂ではないものの、長く続く上りは疲れた身体にこたえるが、キックボードに寄り掛かるようにトボトボと歩き続けた。

上り切ったかと思えば、少し下ってまた上るというアップダウンを繰り返し、もうそろそろ上りも終わりだろうと根拠のない期待を抱きはじめた頃、衝撃の標識が目に飛び込んできた。上り区間のちょうど半分だと書いてあり、残り900mなのだそうだ。

「えっ! まだ半分しか上ってないの? ちゅうか、上りってどこからどこまでのこと? 半分っていうんなら、スタートの標識もたてといて!」 色々な考えが頭を巡るが、文句を言ったところで半分は半分である。一歩一歩上って行くしかないのだ。しかし、あと900mという精神的ダメージが大きすぎるので、気を紛らわせるために一歩進むごとに数を数えはじめた。私の一歩はおよそ80cmだが、疲れているので、2歩で1mと考えよう。2歩歩くたびに1・2・3・・・と数えていけば、900数えたら上りが終わるということだ。ウヒヒヒ。

今から考えたら当たり前の話で大した慰めにもなっていないのだが、そのときは何かに気を紛らわせて前に進むしかなかったのである。ついでに声に出して数えはじめた。どうせ周りには誰もいないのだから、恥ずかしいこともない。黙々と歩きはじめたが、どうも左ひざの様子がおかしい。痛みが引くどころか、どんどんひどくなっている。ひざを曲げると痛みが走り、力が入らない。

曲げると痛むので、キックボードに乗ったときは右足で蹴ることができない(左足は曲げ伸ばしするため)。左足で蹴ってみると、ひざが曲がらないように気を付けていれば、痛みはあるもののなんとか我慢できる。これはまずい。前にも書いたが、キックボードで長時間走るときは、両方の脚を交互に使うのがコツだ。つまり、片方の脚で蹴っているときは、もう片方は休ませるのである。左足でしか蹴れない状態で、残り50km以上を走破できるのか?

厳しい状況だが、これ以上悪化しないように気を付けながら進むしかない。もはや普通に歩くこともできなくなってきたが、このアップダウンが終われば海岸線のルートにでる。若干のアップダウンはあるが、ほぼ平坦ルートだ。そこまで行ければ勝機はある、それだけを頼りにヨボヨボと歩き続けた。

ハっと気付くと横を何人かのローディが追い抜いて行った。バックパックを背負ったおっさんが、キックボードを押しながら「125・126・127・・・」とブツブツつぶやいてヨロヨロ歩いているのは、さぞかし不気味だっただろう。こっちも必死だから、恥ずかしいどころではない。スイスイ坂を上がっていくローディを横目でみながら、数を数え続けた。

そんな調子で4時間ほどアップダウンを進んだ結果、ようやく南あわじを突破することができたのだった。すでに日も高い午前9時。スタートから約24km地点。時速6kmしかでていなかったが、なんとか海岸線までたどり着いたのだ。

この場を借りて、はっきりさせておきたい。淡路イチの最難関は、立川水仙郷ではない。南あわじだ!!(キックボードに限る) 延々と続くアップダウンはキックボードに最悪のコース。しかも、2日目の早朝という体力的精神的に一番しんどい時間帯に走らなければならない。(キックボードでは)2度と来ないぞ! 南あわじ!!

ちょうどこのとき、早朝は雲一つなかった空が、厚い雲に覆われ雨の気配が出始めていた。このことが更なるピンチを招くことになろうとは、この時点では想像もしなかったのである。

淡路島リベンジ 2日目 最終回へ続く・・・

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