ファイヤースティールの魅力

アウトドアの楽しみのひとつに火起こしがあります。効率を重視するのなら、100円ライターをポケットに入れておくのが簡単で便利なのですが、それでは風情に欠けますよね。

道具は単純なほど良い

だからといって、木と木をこすり合わせた摩擦熱で着火しようものなら、大変な労力と時間が掛かります。アウトドアを楽しむという意味では、「ファイヤースティールを使ってティンダー(ほくち)に着火し火を起こす」くらいがちょうど良いのではないでしょうか。

ファイヤースティールとは、フェロセリウムなどの棒をエッジのある金属(ストライカー)で擦ることで高温の火花を飛ばすもので、乾いた細かい繊維状のもの(ほぐした麻ひも、ティッシュペーパーなど)に着火することができます。

ファイヤースティールで着火する方法は、焚き火を楽しむというだけでなく、実用的な面でも理にかなっています。100円ライターなどの着火装置は確かに便利ですが、水濡れに弱いという致命的な弱点があります。
アウトドア活動においては、全身ずぶ濡れになる状況も起こり得ます。そのような場合に素早く火を起こせるかが生死を分けるといっても過言ではありません。

その点、ファイヤースティールは完全に水没した状態からでも、水気を取り去れば火花を飛ばすことができます。もっとも、火花だけでは火は起こせませんので、十分に乾燥したティンダーが必要であることには変わりありません。もし手持ちのティンダーがぬれてしまったら、自然のものから調達する必要があります。

つまり、100円ライターはぬらしてしまうとどうしようもありませんが、ファイヤースティールなら自然からティンダーを調達して何とかなるかもしれない、ということです。
状況によっては、ティンダーを調達するのが非常に難しい場合がありますので、いつも何とかなる訳ではありません。それも自分のスキル次第というのもファイヤースティールの面白いところです。

自作の楽しみ

いくつかコレクションしてみるのも楽しいです。基本的には火花を飛ばすだけのシンプルな道具ですが、各社さまざまな工夫を凝らしています。それらを比べていると、今度はオリジナルで自作したくなってきます。市販のフェロセリウムロッドを購入すれば、本体は比較的簡単に自作できます。

~関連リンク~
 オリジナルファイヤースティールの作成
 フェロセリウムロッド

ストライカーの自作は難しいというか、少しコツがいります。最初は手持ちのものを流用した方がいいかもしれません。
自作する場合は、材質とエッジの付け方がポイントです。柔らかい金属は不向きで、硬度の高い鋼やステンレスが適しています。ナイフによっては背の部分を使える場合もありますが、火花でナイフが汚れます。

エッジ角は、鋭角すぎるとすぐに鈍ってしまいます。90度でもしっかりエッジが立っていれば良い火花を飛ばせます。
身の回りのものだと、ヤスリやスクレイパーが流用しやすいと思います。

いかに持ち歩くか?

私はファイヤースティールを普段から持ち歩きたいので、ベルトに付けたり、カバンに付けたり、エマージェンシーキットに入れたり、色々なところに放り込んでいます。

しかし、いざ火を起こすというときにパっと取り出せず、イライラすることがありました。パっと火を起こしてパっと仕舞いたいのですが、ランヤードで固定してたりするとなかなか面倒くさい。

そこで、最近は火起こしに必要なものを全部まとめてティンダーポーチに放り込んでいます。ファイヤースティールだけ腰のベルトに付けておくというわけにはいきませんが、必要なものがひとまとめになっていると何かと便利。口の広いポーチなら、使いやすくて快適です。

防水性の高いプラスティックケースに入れてみたりもしましたが、ファットウッドや麻ひも、コットンボールなど、様々な形状のものを突っ込んでおく場合、ハードケースは融通が利かず不便でした。その点、レザーポーチであれば色々な使い方ができます。使い込むにつれて、良い風合いが出てくるのも良いところです。

~参考ページ~
 ティンダーポーチ

いかがでしょうか? 普段は効率重視という方も、たまには違った方法を試してみるのも面白いと思います。ぜひお試しください。

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