スーパーカブ(AA04)のボアアップ挑戦その2

前回失敗に終わったスーパーカブ50(AA04)のボアアップ挑戦ですが、壊したサイドボルトが届いたので、再挑戦します。

スーパーカブ(AA04)のボアアップ挑戦その1
*50ccからボアアップした場合、原付2種への登録変更が必要になりますので、ご注意ください。

まずは外装から外していきます。2回目なのでこの辺りは問題なし。レッグシールドを外すとシリンダーヘッドが見えます。シリンダーヘッドのサイドカバーを外すと、カムスプロケットが登場。ここからが問題です。

前回折ってしまったサイドボルトは、カムスプロケットの奥にあります。もし、エンジン側のネジ穴が壊れていたらお手上げです。私にはエンジンのタップを切る技術力(と度胸)はないので、バイク屋さんに持ち込むしかありません。ここまで来たら、なんとか自力で完成させたい。

恐る恐る、サイドボルトを手でねじ込んでいくと、ネジ山に掛かる感触。いい感じです。手では回せないところまできたのでトルクレンチで締めると、ほどなく「コキっ」と規定値に達した音が鳴りました。無事、復旧完了!

サイドボルト取付完了
1週間越しでサイドボルト取付完了!

一旦カムスプロケットを外して、チェーン一コマ分、取付位置を調整します。先週は、一コマ分くらいのズレはいいかと思って放置していたのですが、ネットで調べるとカムスプロケットの調整(カムの圧縮上死点とフライホイールのTマークを合わせる)はきっちり合わせないとダメらしいのでやり直しです。

カムチェーンを外してからカムを回転させ、フライホイールのTマークとほぼ合った状態でチェーンを組み付けます。2~3ミリずれているような気がしないでもないですが、チェーン一コマ分で調整しても絶対合わない気がするのでヨシとします。

次にバルブクリアランスの調整。武川のマニュアルによると、0.1mmに調整するそうです。シックネスゲージという隙間を測る工具とタペットアジャストレンチという専用工具を使用します。何のために何を調整するのか全く理解しないまま(今回の作業はほとんどそうですが・・・)マニュアルを見よう見まねで調整実施。これが非常にデリケートな調整でちょうどいい感じになるまで30分くらい掛かりました。専用工具なしでは出来なかったと思います。

これでエンジン周りの調整作業は完了。シリンダーヘッドのカバーを取り付けます。

エンジン回り完成
ついにエンジン回り完成! 果たしてうまくいったのだろうか・・・?

苦労したエンジン周り(シリンダーの交換)もこれで完了。すぐにキーを回してエンジンが掛かるか確かめたい衝動にかられますが、ここはグっと我慢です。まだドライブスプロケットの交換とFIインジェクションコントローラの取付け作業が残っています。

まずはドライブスプロケットの交換から。これは、武川のマニュアルに交換方法が載っていません。「ボアアップした場合、純正のドライブスプロケット(13T)ではローギアすぎるから交換してね。交換方法は純正マニュアルを見てね。」というようなことが書いてあります。

ふむ、純正マニュアルを見ればいいのか。どれどれ・・・とページをめくってみるも、ドライブスプロケットの交換を説明しているようなページが見当たらず・・・ 断片的な整備情報などをつなぎ合わせると、シフトペダル上部のカバーを外すとドライブスプロケットが見えるようです。

「ドライブスプロケットの交換くらい、できて当たり前だからマニュアルなんていらんだろ!」ってことですか?(私が該当ページを発見できていない可能性も50%くらいあります。なんせ純正マニュアルは索引が貧弱なので使いづらかった・・・)

こういうときはネットが頼りになります。「ドライブスプロケット 交換」でググって、作業を進めます。この作業での肝はチェーンのテンションを適正な感じにすることのようです。事前にチェーンの張り具合を確認し、アクスルシャフトを緩めてドライブスプロケットからチェーンを外します。

14Tのスプロケットに交換して、チェーンの張り具合を調整。整備しやすい構造で、特に苦労するところはありませんでした。タイヤを手で回してみると、スプロケットとチェーンが当たっているあたりからカラカラと音がします。確かスプロケットとチェーンは同時に交換しないと異音が出ることがあるはず・・・(これは自転車も同じで、チェーン駆動の機械全般に言えることだと思います) まあ、そのうち馴染むだろ、ということで作業完了。

これで機械周りの作業は完了! ここでまた、エンジンを動かしてみたい衝動に駆られますが、我慢。

続いて、純正のPGM-FIをFIインジェクションコントローラに交換します。ボアアップした場合、純正のPGM-FIではダメなのだそうです。このあたりもよくわからないので、マニュアル通りに配線します。

ひとつだけ、「エレクトロタップ」なるパーツで配線するところがありますが、ネットによると接続不良を起こしやすいそうです。構造を見ると、コードを金属板で挟むことで被膜を破って接続するような仕組みです。確かに便利っぽいですが、接続不良は起きやすそう。コレは使わないことにして、地道に被膜をめくって配線しました。

これも特に困ることはなく、無事に配線完了。外しておいたバッテリーのマイナス端子を戻します。

FI取付
FIインジェクションコントローラの取付完了!

あとはFIインジェクションコントローラのセッティングだけです。これもマニュアルに細かく書かれてますので、その通りやります。キーをオンにすると、LEDが緑に点灯・・・OK! アクセルを全閉からゆっくり全開にして、1秒以上保持してからゆっくり全閉に戻すとLEDが消灯・・・しない! もう一度、最初からやってみましたが、結果は同じ。

うーん、どうしよう。マニュアルを見ると、「LEDが消灯しないときはサブコード(黄)の接続不良」と書いてあります。コレ、さっき被膜めくって配線したとこじゃね? うーむ、素直にエレクトロタップを使ったら良かったか・・・ いや、配線はうまくできているはず・・・ 武川って電話サポートあんのかな? コントローラの初期不良も考えられる・・・ いやいや、まずは配線をチェックし直すべきか・・・ などなど考えながら配線を目でたどってみると・・・

試運転
スロットルボディのカプラが全部抜けたまま・・・

おや? スロットルボディに接続するカプラが全部抜けてますねぇ。コレでは動作する訳がない! 11時から16時までぶっ通しの作業で体力の限界とはいえ、こんなミスをやらかすようでは、他の箇所も心配になります。。。

とはいえ、ココまできたらあともう少し。気を取り直してスロットルボディの配線し直し、再度調整すると・・・成功! これで全ての作業を完了しました!

待ちに待ったエンジン始動の瞬間です。キーをオンにし、FIインジェクションコントローラのLEDが点灯したことを確認。セルを回すと・・・エンジンが掛かりました! ここまで長かった!

2~3分アイドリングしましたが、安定していて特に問題なさそうです。

完成!
完成!

早速試運転してみます。1速に入れ、ゆっくりアクセルを開けると、グっとスタートします。1速がローギアードな感じは以前と変わりません。2速に入れると若干トルクに余裕があるかなというくらいで、あまり違いは感じません。慣らし運転が必要なのであまり回転を上げてないのもあるかと思いますが、平地では思ったほど違いを感じませんでした。

明らかに違いを体感できたのは坂道。これまでは2速でいっぱいいっぱいだった坂も、3速で余裕です。これはイイ! 狙っていたとおりの効果が出てます。これなら、これまで行けなかった猟場にも行けます。

そうなると、私が理想とする狩猟スタイルとは離れるような気がしますが、まぁいいか。

スーパーカブ(AA04)のボアアップ挑戦 総括へ続く

スポンサーリンク

「スーパーカブ(AA04)のボアアップ挑戦その2」への2件のフィードバック

コメントは停止中です。