ChairgunPro4を使ってみる ~設定編~

HAWKE SPORT OPTICS社から、無償の弾道計算ソフト「ChairgunPro4」がリリースされています。今回は、Windows版の設定方法をご紹介します。確か以前まではなかったと思いますが、今バージョンからはMAC版もリリースされています。

インストール方法については、前回の記事をご覧ください。

ChairgunPro4を起動すると、初期画面が開きます。パっと目に付くには、HAWKE SPORT OPTICS社の広告バナーです。全バージョンでは、ウィンドウ下段に表示されていましたが、中段あたりに移動しています。少々ジャマですが(笑)、これだけのソフトを無償で提供してくれているのですから、大したことはありません。

まず、使っているペレットの口径を選びます。赤枠の中から、クリックしてください。我がエースハンターは口径5.5mmですから、「Tab2:0.22 Airgun」を選びます。4.5mmの方は「Tab1:0.177 Airgun」を選んでください。

5mmの方は・・・なんと、今バージョンからは、5mm(0.20)が標準画面で選択できなくなっています。アメリカでは、大口径(0.25)の方が普及してるんですかね? なので、5mmの方は、カスタマイズする必要があります。「Tab1:0.177 Airgun」のところを右クリック、メニューから「Edit Tab Name」を選択し、0.177を0.20に変更してOKを押してください。とりあえず、タブ名を変更できます。

タブを選択したら、各項目を入力していきます。前バージョンと変わりませんので、ChairgunPro3を使っていた方は、設定をメモしておくと良いでしょう。ちなみに、ChairgunPro4をインストールしたあとでも、ChairgunPro3は使えますので、好みの方を使えば良いと思います。

とりあえず、弾道を見たい!という方は、赤枠の部分だけ入力すればOKです。

各種設定を入力
設定項目は、前バージョンとほとんど同じです。
  1. 使用しているペレットを選択します。
    「Pellet:」の部分をクリックすると、ペレットデータベースが開きますので、使っているペレットを選択します。私の場合、FXプレミアム5.5mmを使っていますが、ペレットデータベースに登録されていません。

     

    ペレットデータベース
    使っているペレットを選択します。

    エースハンターのカスタムで有名な近江屋さんによると、FXプレミアムはAA Fieldと同形弾だそうですので、AA Fieldを選択しています。

    もし、使っているペレットが見つからない場合は、形が似ているペレットを選んでおいてください。ペレット重量などは個別に設定できます。

    口径5mmの方は、「Pellet:」を右クリックして「0.20 Pellets」を選ぶと、5mmのペレットを選択できます。数は少ないですが・・・

  2. Weight(ペレット重量)
    ペレットの重量を指定します。ペレットデータベースで選択した場合は、入力しなくても構いません。私の使っているFXプレミアムは、15.9グレインですから15.9と入力します。

     

  3. BC(弾道係数)
    「Ballistic Coefficient」の略です。弾道係数とは、物体が飛んでいったときに、どのような放物線を描くのかを表す係数で、数値が大きいほど良いそうです。

     

    ペレットデータベースでペレットを選択した場合は、BC値も設定されます。BC値がわからない場合、ペレットデータベースで同じような形のペレットを参考にして、BC値を設定すれば良いと思います。

    試してみるとわかりますが、BC値を大きくすると射程距離が伸びるようにグラフが変化します。小さくすると射程距離が縮むように変化します。しかし、その変化は微妙なもので、「0.031」から「0.021」へ変更しても、グラフ上の射程は1mほどしか変わりません。あまり気にする必要はないと思います。

  4. Muzzle Velocity(銃口初速)
    銃口初速を設定します。自分のエアライフルの初速を計測するには、弾速計を使用します。ネットで検索してみると、1~2万円から販売されているようですが、そんなに何回も使うものではないので、買うかどうかは微妙なところです。

     

    私の場合、エースハンター購入時に付属していた資料(古いカタログのコピー)に、ポンピング回数ごとの初速が載ってましたので、それを参考にしました。ただし、使用しているペレットの重量がわかりませんので、誤差はあると思います。

    また、古い資料なので10回ポンプの数値まで載っていますが、現在はポンプ8回までにするよう明記されていました。一応データとして出しますが、標準のエースで9回以上ポンプすると、レバーが曲がるそうなのでご注意ください。

    【エースハンターカタログ数値】
    ポンプ回数 初速(m/s) 初速(ft/s)
    2回 149m/s 488.9ft/s
    3回 180m/s 590.6ft/s
    4回 204m/s 669.3ft/s
    5回 221m/s 725.1ft/s
    6回 235m/s 771ft/s
    7回 246m/s 807.1ft/s
    8回 256m/s 839.9ft/s
    9回 265m/s 869.5ft/s
    10回 272m/s 892.4ft/s
  5. Zero Range(ゼロイン距離)
    ゼロインする距離を設定します。画面下のグラフを見るとわかるように、ペレットの弾道(青の線)と、スコープの照準(赤の線)は、2箇所で交錯します(ゼロイン)。最初のゼロインをファーストクロス、2回目のゼロインをセカンドクロスといいます。

     

    この画面例では、40ヤードでゼロインしています。

  6. Scope Height(スコープ高さ)
    スコープの中心軸から銃身の中心軸までの長さを設定します。私のエースハンターだと、約5cmありましたので、2インチと設定しました。「Scope Height」によって、グラフ中の弾道(緑の線)が始まる位置(=銃口の位置)が変化します。

     

  7. Start Range(表示開始位置)
    画面下に表示されているグラフの表示開始位置です。
  8. End Range(表示終了位置)
    画面下に表示されているグラフの表示終了位置です。
  9. Kill Zone(殺傷範囲)
    弾道は放物線を描きますので、距離に応じて上方または下方に照準を調整する必要があります。上下の許容範囲を「Kill Zone」に設定すると、許容範囲に収まる距離をグラフで確認できます。

     

    例えば、下記の画面では「Kill Zone」を1インチと設定しました。グラフ中の色が付いている部分は、上下のブレが1インチに収まっていることになります。つまり、9~19ヤード、34.3~43.9ヤードの範囲なら、ドロップ量を考慮しなくても照準から1インチに収まります。つまり、レティクルを合わせて撃つだけでいい、ということになります。もちろん、風や高さなどの影響は別の話です。

    獲物の大きさによって「Kill Zone」の設定を変えてみて、どのくらいの許容範囲があるのか見ておくといいでしょう。

基本的な設定は以上となります。設定内容は、メニューから「File-Save As」を選択すると保存することができます。次に「ChairGun Pro」を起動したときに、「File-Open」を選択し保存したファイルを指定すると、前回の設定を反映することができます。

メニューの「Configuration」や「Toolbox」から様々な設定を行なうことができますので試してみてください。例えば、「Configuration-Units-Metric Units」を選ぶと画面表示をメートル法に切り替えることができます。

また、「Toolbox-Visualisation View」を選択すると、指定した条件のとき、どこを狙えばよいかレティクル上に表示してくれます。「Wind Speed(風速)」や「Incline(傾斜角)」を設定してみると、横風や撃ち上げ・撃ち下ろしでどのくらい影響があるのか、雰囲気がわかって面白いと思います。

自分の射撃する状況を想定し、色々な弾道パターンを確認しておくと良いのではないでしょうか。私も、次の出猟に備えて、弾道グラフを印刷しておきます!

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