最近は、スマートフォンを使っている人が多いですね。電車はもちろんのこと、歩きながら使っている人もいます。前も見ずにフラフラ歩かれると迷惑なものですが、かく言う私も、会社から支給されたiPhoneを持っています。
さすがに歩きながらiPhoneをいじることはありませんが、電車に乗っているときに使うことがあります。そんなとき、何か使えるアプリがないか探していると、ChairgunProのiPhone版を発見しました。
iPhone用の弾道計算アプリは有償のものしか知らなかったのですが、ChairgunProは無償です。さすが、Hawke Optics! 早速、インストールしてみました。
ちなみに、有償のアプリだと、Knight’s Armament社のBULLET FLIGHTがあります。お値段は、29.99ドルです。
パソコン用フリーソフトのインストール・設定については、過去記事をご覧ください。
ChairgunProのインストール
ChairgunProの設定
インストールすると、「ChairGun」のアイコンが表示されます。少し時間はかかりますが、3G回線でインストール可能です。
起動すると、メイン画面が開きます。メイン画面を左右にスライドさせると、画面の背景色が切り替わり、画面ごとに設定を替えることができます。ペレットを使い分けるときに便利ですね。
多くの設定項目がありますが、重要なものは下記となります。
- Pellets(ペレットの選択)
Pellet Name(ペレット名)、Weight(ペレット重量)、BC(弾道係数)を入力します。ペレット名はわかりやすい名前を入れておけばOKです。ペレット重量はペレットの缶に書いてある値を入力します。缶にペレット重量が書いてない場合、ペレット名でググってみましょう。BC(弾道係数)は、わからない方が多いと思います。その場合、画面右側の「Pellets」をタップすると、ペレットデータベースが開きますので、使っているペレットを選択するといいでしょう。
ペレットデータベースに使っているペレットがない場合、同じような形のペレットを選択してください。私の使っているFXプレミアムもペレットデータベースに入っていませんが、同型弾のAAフィールドを選択しました。
- Muzzle.Vel(銃口初速)
初速を入力します。初速を知るには、弾速計で計測する必要があります。安いものなら、1万円前後で売っているようです。我がエースハンターの場合、カタログ数値から計算した初速を使ってみました。5回ポンプ時で221m/s、8回ポンプ時で256m/sです。m/sの値を3.281倍すると、Ft/sに変換できます。 - ScopeHeight(スコープ高さ)
銃身軸の中心からスコープ軸の中心までの高さ(インチ)を入力します。我がエースハンターは、2インチあります。ちょっと高めですかね。 - Far Zero(ゼロイン)
ゼロインする距離を入力します。銃口から飛び出したペレットは、放物線を描いて飛びますので、通常は2点でゼロイン(スコープ軸の延長線上とペレットの放物線が交わる点)します。ここでは遠い方のゼロイン位置になります。 - 他の項目
Incline(銃の傾斜角)、WindSpeed(風速)、WindAngle(風向き)、Temperature(気温)、Pressure(気圧)、Altitude(標高)などを設定することができます。傾斜角や風速はさておき、気温や気圧・標高はエアライフルでの射撃にはあまり影響ないような気がしますので、適当な値を入れています。標高3000mくらいなら影響が出るものなんでしょうかね。
以上のデータを入力し、画面下の「Graphs」を押すと、ペレットの弾道がグラフで表示されます。
iPhone版がWindows版と異なるのは、Incline(銃の傾斜角)を考慮できる点です。メイン画面下の「Reticles」を押すと、下記のような画面が開きます。この画面では、Hawke Optics社のスコープに搭載されているレティクルが表示されており、距離に応じてどのドットを使えば良いかわかるようになっています。
ターゲットまでの距離が13.1ヤードか40ヤードであれば、十字線の中央で狙えばよく、10.7ヤードか49ヤードであれば、ひとつ下のミルドットで狙えばよい、ということになります。
このとき、画面左下の「Incline」を押すと、画面がカメラに切り替わります。その状態でiPhoneを前後に傾けると、角度が変化します。適当な位置で画面を押すと、傾斜角が考慮されたレティクルが表示されます。
下記は、傾斜角15度の画面です。傾斜角0度(水平)の場合、40ヤードでゼロインしていましたが、15度の打ち上げだと42ヤードでゼロインすることになります。
つまり、エアライフルにiPhoneを固定した状態で傾斜角の設定を行ない、ターゲットまでの距離がわかっていれば、レティクル上のどのドットを狙うべきかがわかります。実猟で使えるかどうかは別にして、これは面白い機能だと思いました。
「iphone rifle mount」でググってみると、ライフルにiPhoneをマウントした画像が出てきます。マウントを自作してみるのも面白そうですね。
その他の機能として、画面右下の「Toolbox」を押すと、様々な設定を変更することができます。色々と試してみると面白いと思います。
特に便利なのは、「Convert」画面です。インチ・ヤード表示の値をセンチ・メートル表示に変換して表示してくれます。Windows版のChairgunProでは、画面表示そのものをセンチ・メートルに切り替えることができましたが、iPhone版ではConvert画面を使うようです。
「Update Pellet DB」を押すと、ペレットデータベースのアップデート画面が開きます。「Check for new DB items」を押すことで新しいペレットの情報を取り込んでくれます。使っているペレットが見つからなくても、そのうち追加されるかもしれませんね。
実猟において、弾道計算をやってから射撃する余裕は(私には)ありませんが、事前に弾道特性を理解しておくと役立ちそうです。こんな便利なソフトを無償提供して頂いているHawke Optics社に感謝です!
了